第168章 小泉さんの恋人

「そこまで言うなら……」と、南雲玲奈もそれ以上は押し通さなかった。

ほどなくして一行は、川沿いのレストランへ向かう。

海城のランドマーク、その五十数階。四方がガラス張りで、街の夜景と川面の光が目の前に広がっていた。視界はどこまでも開けている。

料理もまた、星付きシェフが腕を振るった品々で、見た目も香りも味も抜かりがない。

食事が半分ほど進んだ頃、外で案の定、花火が上がり始めた。

香澄は箸を放り出し、ガラス窓にぺたんと張りつく。やわらかな頬を押しつけたまま、きらきらした瞳で夜空を見上げた。

「ママ、見てぇ。すっごく、きれい……」

南雲玲奈もつられて視線を上げる。

確かに、息をの...

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